「妻と離婚したい」
「だが子どもの親権獲得の難しさを考えるとできない」
悩んで迷って、結局一歩踏み出すことを我慢していませんか?たしかに、ほとんどの場合で母親が親権を獲得しているという事実はありますが、父親の親権獲得は、決して不可能ではありません。
実際に、父親が親権を取った離婚案件の例はいくつもあります。具体的に父親が親権を獲得するためにはどのような条件が必要なのか、この記事では詳しくまとめました。
ただし、父親の態度や振る舞いによっては、親権獲得に不利になる行動パターンもあるので気をつけてください。これから離婚を考えている方は、自分の行動や発言に注意を払わねばなりません。
しかし大丈夫です。この記事を読めば、気を付けるべきポイントがよくわかります。あなたとお子様の幸せのために、読んですぐ行動を起こしましょう。
父親が親権を取れる5つのパターン
離婚に際し、父親が有利となり、親権を獲得するケースは5つに分けられます。5つのパターンについて詳しく内容を見ていきましょう。
母親に経済力がない
父親には経済力があり母親には経済力がないといったケースでは、父親が親権を手にする場合があります。
一般的に、日本では男性が女性より収入が高いケースが多いです。女性側に経済的な余裕がなく一緒にいると子どものためにならないと判断されると、親権は男性側に渡ることがあります。
また母親の金銭管理能力が著しく乏しくてカードローンを繰り返すなど、子どもにとって不利益になる印象を調停者が持てば、親権を獲得したい父親側に有利になります。
親には子どもに必要な教育を受けさせ、衣服や日用品を購入し、食事や快適な住環境を提供するなど、成人するまでの様々な費用を負担して面倒を見る義務があるので、父親と一緒にいる方が、経済的な面で子どもの成長のためになると判断されることが大事です。
ですので、母親の金銭管理能力が乏しい場合、父親が親権を獲得できる可能性は高まります。
母親が子供に虐待・ネグレクトをしている
親権獲得は、母親側が有利であると考えられています。その理由は、一般的に子どもは父と過ごす時間より、母と過ごす時間が多いと認識されているからです。
しかし、この一般認識を崩すような事実や記録を見せることができれば、父親が有利になるよう状況を覆すことができます。
たとえば、母親が充分な食事を与えていなかったり、不潔な環境に子どもを放置したり、子どもに暴行していたりといった状況です。これらは育児放棄やネグレクト、虐待とみなされ、こういった事実があったことを証明できれば、母親は不利になり、父親に有利になります。
子供を育てられる環境が父親に整っている
男性はフルタイムで週末や残業も頻繁など、長時間労働する人が多く、子どもと一緒の時間を作ることが難しいと考えられています。
これが親権獲得で、父親側に不利な原因のひとつです。
しかし逆に、父親の環境が、子どもと一緒の時間を充分に持てるものであることを証明できれば、親権を獲得する可能性が増えます。
たとえば、次のような状況が当てはまります。
- 実家暮らしで育児に祖父母の協力が得られる
- 勤務時間が規則正しく残業はない
- 転職したり配置転換で残業をなくしたり時短勤務に変更する
- 在宅で仕事をしている
- 金銭的に余裕があり、長時間労働の必要がない
子育ての実績が父親にある
父親に充分な期間の子育て経験がある場合、親権獲得に有利になります。判断材料として認められるためには、半年以上の子育て実績が必要です。
実際に子育て実績があることを証明するためには、家で長い時間子どもと一緒に過ごしている客観的な記録が助けになります。
第三者にもわかりやすく子育て実績をアピールするためには、子育てに関する日記や、子どもと一緒に撮影した写真やビデオがあると有効です。
子供が父親と一緒にいたいと考えている
日本の法律においては、子どもには母親が必要であるという考え方がベースにあります。
しかし、子ども自身が父親と一緒にいたいと主張すれば、父親の親権獲得に有利になります。
ただ、あまりに幼い子どもでは判断能力がないとみなされ、たとえ子どもが「父親と一緒に暮らしたい」と主張しても、子どもの意志は反映されません。
判断の分かれ目となるのは子供の年齢であり、10歳以上の子どもの主張は判断材料として考慮されます。
親権問題で父親が不利になる3つのパターン
親権問題で父親が有利になるケースを説明してきましたが、父親が不利になるパターンもあります。以下で父親が不利になる3つのケースを詳しく説明します。
妻や子供に暴力を振るう
父親が妻や子どもに暴力を振るったり、精神的に痛めつけるような言葉をぶつけていたりすると、親権獲得は難しいでしょう。
暴行や暴言の事実が証明されれば、親権獲得は絶望的です。離婚や親権について話し合っている最中に感情が高ぶって怒りがこみ上げてきても、暴言や暴力を振るうなどは論外です。親権を獲得したいなら、常に自分をコントロールする必要があります。
家庭裁判所の調査でマイナス評価を受ける
家庭裁判所の調査員から悪い印象を持たれると、子どもの養育にふさわしくない人格と判断され、親権獲得に不利に働くことがあります。
調査員にマイナスの印象を与えないよう、振る舞いや身だしなみ、行動に注意しなくてはなりません。
具体的には、話し合いの場には遅刻しない、清潔感のある身だしなみ、丁寧なことばづかいや口調で話すといった、人として当たり前のモラルやマナーを守ることが大事です。
母親に内緒で子供を連れ去る
離婚と子どもの親権争いの最中に見られるトラブルの例として、母親による子どもの連れ去りがあります。
- 母親による連れ去りの具体的な事例を紹介します。
- 父親が仕事などで出かけていた先から家に戻ると、子どもも母親も家にいない。
- あわてて妻や子に電話やメールで連絡するが連絡がつかない
警察に相談すると父親はDVの加害者となっており、妻子が被害者の構図になっている
父親から見れば、このケースは明らかに母親による子どもの連れ去りです。
しかしこのようなケースでは、父親はどんなに理不尽にはらわたが煮えくり返るような怒りを感じたとしても、母親に無断で子どもを自分のもとに連れてきてはいけません。
父親が母親の同意を得ずに無断で子どもを連れ去ると「誘拐」として逮捕される恐れがあるのです。
離婚の原因が父親でも親権は持てるのか?
離婚の原因が父親にあったとしても、親権を得る可能性はゼロではありません。その理由を以下で解説します。
夫婦関係の破綻理由と子の福祉は別問題
子どもの親権を父親と母親のどちらに認めるべきか判断する時、最優先事項は「子の福祉」です。子どもに高いレベルの教育を与えられるなど、子どもにとって利益が大きいと判断された側の親に親権が認められます。
「子の福祉」と、離婚に至った夫婦関係の破綻理由の間には関係がありません。
つまり、離婚の原因が父親側にあったとしても、そのことが即、親権を相手に渡すことにはならないのです。
母親有利の認識は「子の福祉」重視が根底にある
親権をどちらに持たせるかにおいて、母親が有利との考えられている理由もやはり「子の福祉」にあります。
- 子どもが育つ時、母親と一緒にいる時間が長い
- 離婚後に子どもの置かれた環境が大きく変わるのは望ましくない
- それまで一緒にいる時間が長かった方の親とこれまでと同じように一緒に暮らすことが子の福祉につながる
こういった考え方から来るものです。
しかし、この考え方が成り立たないと証明できる明確で客観的な事実があれば、必ずしも母親有利とはならないのです。
離婚原因が親権獲得の障害になる場合もある
離婚原因も内容によっては親権獲得の障害となるケースがあります。たとえば、離婚の原因が、配偶者に対する暴行にあるような場合です。
父親に妻への暴力的傾向が認められると、子どもに対しても暴力をふるわないとは言い切れません。このようなケースでは父親との暮らしは子どもの福祉につながらないと判断されて、親権が認められない可能性もあります。
まとめ
親権獲得において、家庭裁判所が重視することは、誰と暮せば一番子どものためになるのか?ということです。
希望通り父親が親権を獲得するためには、親権を争う前の念入りな準備が交渉の成否を左右します。父親と一緒に暮す方が子どものためになると調停人に判断してもらうための材料の準備にはコツがあります。
親権獲得が困難に思える状況でも、専門家に相談してみれば考えもしなかった突破口が見つかるかもしれません。
ランニング探偵事務所では父親の親権獲得事案に多数関わってきました。父親に有利になる客観的な証明となる日々の記録づくりにおいても独自のノウハウを持っています。父親の親権を諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。